月経ディスクMOLARA(モララ)体験 「私は○○で人生が豊かになりました」-助産師・後 未央(うしろ みお)さん

「新たな選択肢が人生を豊かにする」をミッションに掲げるMOLARA(モララ)。

日本で初めて国産の使い捨て月経ディスクの開発に成功した向井桃子は、月経ディスクに出会わなければ起業もしていない、起業してなければ、今の人生は無いといいます。このコラムでは、向井桃子が出会った人々が、月経ディスクの体験を語り、また、その人々が、どのようにして人生が豊かになったかを語るコラムです。



後 未央(うしろ みお)さん
職業:助産師

 

―助産師になられたのは31歳の時なんですね。


助産師になりたいと考えたのは、最初に勤めていた自動車部品の会社で2年目の時でした。22歳の時です。その会社を辞めて、助産師の免許も取れる大学へ入学しました。卒業後は、看護師として新生児集中治療室(NICU)で3年間働き、その後、助産師の免許を取得するために大学の専攻科に入学、10年前の31歳の時に、はれて助産師になりました。現在は、その助産師の資格を活かして婦人科診療のオンライン診療サービスの事業を行うIT企業で働いています。
 

―助産師になりたい。後さんをそうさせたのは何が理由でしょうか?


今思えば、初めて勤めた自動車部品での“違和感”がきっかけでした。
 

―“違和感”とはどういったものでしょうか。


私は高専の電気科を卒業し、その後に自動車部品を設計する会社に勤めたのですが、男性ばかりの会社でした。1年目は右も左もわからずでしたが、ある程度慣れてきた2年目に入って、男性の仕事、女性の仕事という風に、割り振られた感じ受けたのです。差別ではないのですが、社会の中では女性はこっちですよ。という風に。女性はどうしてこうなっちゃうんだろうって、違和感が生まれました。それからずっと、この違和感は消えず、モヤモヤしていたんです。
 

―この違和感を突き止めようと思って助産師になろうと思った?


そうなんです。当時はすでに男女雇用機会均等法がありましたが、平等に動いている感じがしなかったんです。女性の生き方や、なぜ女性はそのように扱われるのか。男性と女性の違いは何なのか。その違いは、私にとって出産すること以外見いだせなく。だったら子供の産むということについてもっと知ろう、突き詰めようと思ったんです。
 

―その後、その違和感を突き止めることはできましたか?

 
小児科の臨床病棟を離れたのも、助産師の免許をまだ持っていなかったからで、その後免許を取るために大学の専攻科に入りました。その違和感を突き止めるためにウィメンズヘルスに関する知識を現場で学んでいきたいと思ったんです。当時、助産師というポジションを生かして、そのような活動をしている人は、私が知る限りまだ多くありませんでした。
 

―念願の助産師になれました。


はい。助産師の免許を取得でき本当に嬉しかったですね。しかし、助産師でウィメンズヘルスと月経に関わる仕事は、当時はありませんでした。婦人科の先生も月経のことやウィメンズヘルスだけをやっている人は居ない。けれど、私はそれを突き詰めたいと思っていました。
 

―その想いがSNSの活動に繋がったんですね。


はい、そうです。仕事がないなら自分で作ろう、そのためにSNSを自分の事業にどうにか生かせないかと模索をしてました。そこでSNSを始めたのです。女性の悩みを聞いて質問に答えていきました。すると、自分が想像していた以上に反響があったんです。「役に立ちました」、「知らなかった」など、私の知識や経験が、こんなに人の役に立つんだと。反響が凄かったので、今働いている会社の代表に直接相談したところ、「一緒にやろうよ」というお誘いを受けました。今では会社員として活動しています。
 

―これからもSNS活動は続けていきますか?


趣味の程度ですがSNS発信を続けていくつもりです。自分ができる範囲で、私の所に相談が来なくなる時までやり続けたいです。
 

―月経ディスクに関する感想をお聞かせください。


自分はもともと月経カップユーザーで、月経ディスクに関して抵抗はありませんでした。でも体に入れる生理用品には、日本では抵抗がある人が多いです。。しかし、MOLARA(モララ)はそれをやり遂げました。日本の女性たちに新し選択を届けてくれて、本当にありがとうというのが率直な思いです。

向井さんともよく話していますが、生理用品は、人によってメリット、デメリットがあります。よって、人に合ったものを選べば良いという気持ちです。その場合は選択肢が多い方が絶対良く、月経ディスクはその一つになりえるプロダクトだと思います。
 

―その場合、どういった人に合っていると思われますか?


月経ディスクは値段的にも高く、誰にでも進められるものではないかもしれません。しかし生理の煩わしいと感じる人、生理のたびに気持ちが落ちる人も居らっしゃいます。生理で仕事に支障をきたすわけにいかない。そう考えるキャリアウーマンには、価値を感じてもらえるのではないでしょうか。
 

―キャンプの時も良さそうですね。


そうですね。トイレの環境が乏しいキャンプは最適かもしれません。今日はこれ、今日はこれ、という風に選択肢が広がって、自分のライフスタイルにあった生理用品を変えるような生活になると、人生が豊かになるのではと思っています。多くの女性は未だに生理用品というとナプキンしか選択肢がないと思っている人もいるかも知れないので知ってもらいたいですね。
 

―月経ディスクは、まず使ってもらうのが一番でしょうか。


使える環境がもっと増えて欲しいと思います。色々と試して欲しいですね。こういう商品をきっかけにして私もどんどん伝えて行きたいと思います。向井さんは、膣の模型を持って、日本中どこへでも説明をしに行くのが一番と仰ってました。まさにそうだと思います(笑)
 

―後さんはこれから成し遂げたいことはありますか?


そうですね。これからも女性の健康や心の悩みに関わっていきたいと思います。その想いは、自動車部品の会社にいるときから変わっていません。月経によって女性はしんどいと感じることが多い。
これによって日常がうまく回らなくなる人も多数見てきました。私が貢献できることは、情報を伝え、そういう人達に寄り添うことです。理解ある現場はまだまだ少ない。もっと月経のことを、女性にも知って欲しいと思っています。
 

―最後に、後さんの人生を豊かにしたエピソードがあれば教えてください。


実は、本当は私、コミュ障なんです。積極的に友達を作るタイプでもないし、人が集まる場所にも自分から行くこともあまりないのです。ただ、今思うと、人との出会いが人生を豊かにしてくれたことは間違いないと、思っています。
 
向井さんとの出会いは、向井さんが令和の虎に出たYouTubeを観たことがきっかけ。月経ディスクに興味を持っていた私にとって、それを国内で作ろうとしている勇敢な一人の女性が居ることに、恐ろしく衝撃を受けたのです。居ても立っても居られなくなり、すぐメッセージを送りました。

そうしたら、向井さんから速攻レスがあり「会いませんか」と(笑)。

「自分が外に出ることで、人生を豊かにしてくれるんだ」という事を、向井さんの勇気に教えてもらったようなものです。

人の出会いによって人生が豊かになったことの方が圧倒的に多いですね。

後未央さん、本日はありがとうございました。

―後未央さんのSNS活動はこちら

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